泉質別の温泉水の効果と効能

温泉
まずは、入浴する場合の、
温泉の効能についてまとめましたので参考にしていただけたらと思います。

 

単純温泉

単純温泉とは、湧出したお湯の温度が25度以上で、温泉水1kgのうち含有成分が1000mg未満のものを言います。
これは温泉法で定義されたものです。
単純温泉は無色透明で無味無臭のものが多く、刺激も弱いため心地よく入りやすく、子どもやお年寄りなど抵抗力が高くない人でも安心して浸かることができます。
また、弱アルカリ性単純温泉、アルカリ性単純温泉には皮膚の古い角質を取り除き、肌の新陳代謝を促してツルツルにしてくれる働きがあるので、「美肌の湯」や「美白の湯」と言われいます。

 

単純温泉は神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、打ち身、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復、疲労回復、健康増進に効能が期待される温泉です。
刺激が少ないため、病後回復期や外傷後の療養などにも適しています。

 

塩化物泉(食塩泉)

塩化物泉の多くは、ナトリウムを主成分とする食塩泉(ナトリウム塩化物泉)です。
海の近くにある温泉は、ほとんどが食塩泉だと言っていいでしょう。
塩化物泉とは、温泉水1kgの中に1000mg以上の含有成分が検出され、陰イオンが塩化物イオンを主成分としている温泉のことを指します。
陽イオンの主成分により、ナトリウム塩化物泉、カルシウム塩化物泉、マグネシウム塩化物泉などに分類されますが、日本の塩化物泉の大部分はナトリウム塩化物泉です。
塩化物泉の大きな特徴としては、なめると塩からいことです。

 

塩化物泉は、冷え性に対する効能が高く、優れた保温効果で筋肉の緊張を和らげ、血行を良くする働きも強いと言われています。
また、女性ホルモンの一部であるエストロゲンの働きを促進する性質があるとされていて、一部の慢性婦人病、月経障害にも効能があるようです。
塩化物泉は塩が持つ殺菌作用により、切り傷、やけど(火傷)、外傷、慢性皮膚病の効能も持っており、「傷の湯」と呼ばれています。
飲用した場合は慢性消化器病、便秘症などにも良いと考えられていますが、塩分を摂取することになるので、高血圧症、動脈硬化、腎臓病、心臓病などの方々は飲むのを控えたほうがよいでしょう。

 

 

温泉水

 

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炭酸水素塩泉(重曹泉、重炭酸土類泉)

炭酸水素塩泉は「美肌の湯」や「美人の湯」と言われるアルカリ性の温泉です。
炭酸水素塩泉とは、お湯1kgに含まれる含有成分が基準を満たし(1g以上)、陰イオンの主成分が炭酸水素イオン(HCO3)の温泉のことを言います。

 

炭酸水素塩泉ならではの効能の一つは、美肌作用。
温泉の中に含まれているアルカリ分が皮脂を溶かして、スベスベのお肌にしてくれます。
お湯の中で体を触るとヌルヌルしますが、それは皮膚の脂肪分などが化学反応により乳化して、肌をキレイにしてくれているからです。
その働きによって、皮膚からは余分な脂が取り除かれ、肌の新陳代謝も促されると言われています。

 

ただ、水分が体内から発散されやすい状態になるので、肌が乾燥しやすくなるという面もあり、入浴後に化粧水などで水分を補ったり、乳液などでケアしたりするようにしましょう。
炭酸水素塩泉は温泉全般が効能を持つ一般的適応症のほか、切り傷ややけど(火傷)、皮膚病にもいいと言われています。
飲用した場合は、胃の活動を高める働きがあるので、胃の疾患の改善も期待できます。
ただ、腎臓病、高血圧、むくみがある時、甲状腺機能亢進症の時はヨウ素を含有する温泉は禁忌とされているため、飲用は絶対に控えるように言われています。

 

 

 

硫酸塩泉(芒硝泉、石膏泉、正苦味泉)

硫酸塩泉は温泉水1kg中に含有成分が1000mg以上あるもので、陰イオンの主成分が硫酸イオンの温泉のことを言います。
基本的には無色透明で、見た目は普通のお湯と同じです。

 

硫酸塩泉は硫酸イオンの働きにより、血管が広がって血液の流れがスムーズになるので、高血圧症や動脈硬化症に効能があると広く知られています。
そして、脳卒中のリスクを下げる効果もあると考えられています。
そのため、硫酸塩泉は「中風(脳卒中)の湯」と呼ばれています。

 

また、硫酸塩泉は切り傷、外傷、やけど(火傷)に対する効能もうたわれており、「傷の湯」と呼ばれています。
飲用した場合は便秘、肝臓病、肥満症、糖尿病、痛風などにも効能があるとされています。
生活習慣病の予防、改善に適した温泉だと言えます。

 

さらに、美白効果もあり皮脂を取り除く働きがあるのでニキビなどの予防になる上、塩分の作用によって保温効果も高いので肌がしっとりとした感じになります。
神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、打ち身、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復、疲労回復、健康増進の効能も期待できます。

 

 

単純二酸化炭素泉(炭酸泉)

二酸化炭素泉とは、お湯1kgの中に遊離炭酸が1g以上含まれる温泉のことを言います。
炭酸成分が含まれているので、お湯に浸かると体に多くの泡がまとわりつくのが他の温泉にはない大きな特徴です。
二酸化炭素泉は血圧を下げる効果があり、高血圧や動脈硬化への効能があるため、「心臓の湯」と呼ばれています。

 

二酸化炭素泉の大きな効能は、血圧を下げることです。
炭酸ガス(二酸化炭素)が肌に付着すると、皮膚から吸収されます。
すると二酸化炭素を吸収した体は「二酸化炭素が増えたということは酸素が足りない」と感じ、より酸素を体に送り込もうと考え、血流を良くするために血管を拡張します。

 

そして、血管が広がれば血圧も下がります。
そのため高血圧への効能が高いことで知られており、
高血圧から誘発されやすい動脈硬化、心筋梗塞といった病気にも効果が期待できるので、「心臓の湯」と言われるんですね。

 

飲用した場合は、消化器病や便秘などへの効能があると言われています。
そのため、ヨーロッパなどでは飲泉として親しまれています。

 

 

鉄泉(含鉄泉、含銅鉄泉)

鉄泉とは、温泉水1kg中に鉄イオンを20mg以上含んでいる温泉のことを言います。
源泉は無色透明なのですが、空気に触れると酸化するので、温泉として入る際には赤色、黄色、赤茶色などに変色していることが多いのが特徴です。
舐めると渋味のようなものを感じる場合があり、嗅いでみると鉄が錆びたような匂いを感じます。
鉄泉は酸化すると効能が下がるので、無色に近いほうが鉄泉の効果はより高いと言われています。

 

 

鉄泉は保温効果が高いことで知られており、体の芯まで温まるので冷え性に良いと言われています。
また、鉄泉は鉄分を多く含んでいるので、鉄分不足が原因の貧血症にも効くと言われています。
鉄分は消化器からの吸収がいいので、入浴ではなく飲用がとても効果的です。

 

飲用する場合は自身で判断して飲むことは控え、その温泉が飲んでいいものなのかどうかをきちんと確認してからにしましょう。
また、病気によっては飲用に適さない場合もありますので、必ず医師などに相談してから飲用することが重要です。
なお、飲用した直後にお茶やコーヒーなどタンニンを含む飲み物を摂ると、鉄分とタンニンが結びついて効果が減少してしまうので注意が必要です。

 

 

冷え性、貧血のほか、月経困難症、慢性婦人病にも効能があるなど、女性の悩みとして多い病気に効果が見られるため、特に女性にはおすすめの温泉です。
神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、打ち身、くじき、慢性消化器病、痔疾、病後回復、疲労回復、健康増進にも効能が期待される温泉です。

 

 

 

酸性泉

酸性泉とは、温泉水1kgの中に水素イオンが1mg以上含まれている温泉と定められています。
塩酸や硫酸、ほう酸を多く含み、海外ではあまり見られない日本特有の泉質です。

 

酸性泉はpHが2から4程度の温泉のことを指し、pHが2未満のものは強酸性泉と呼ばれます。
強酸性泉は短期間で金属を溶かしてしまうほどの力があります。

 

酸性泉の多くは無色か、わずかに黄色がかっています。
硫酸塩泉からできていることが多いため、硫黄の特徴が含まれています。
味は酸味が強く、舐めてみれば「すっぱい」と感じるはずです。
臭いも硫黄特有の強い刺激臭がすることが多くなっています。

 

酸性泉は酸の働きにより殺菌作用が高いため、水虫やニキビ、湿疹などの慢性皮膚疾患や切り傷、外傷に効能があることで知られています。
酸性泉はその殺菌効果の高さから「直しの湯」「仕上げの湯」と呼ばれることもあります。

 

また、酸の作用によって古い肌が剥がれやすくなり、新陳代謝を活発にして肌をキレイにする効果があります。
特に女性にとってはうれしい効能ですね。
トリコモナス膣炎などの性感染症を改善させる可能性もあるようです。

 

酸性泉を入浴ではなく飲用した場合には、胃腸を刺激して慢性消化器病に効くと言われています。
神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、打ち身、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復、疲労回復、健康増進にも効能が期待されます。
ただ、酸性泉の大きな特徴である酸の作用はマイナスにも働く可能性があり、皮膚への刺激が強過ぎて炎症を起こしやすくなります。
特に、肌が乾燥しやすい冬場は注意が必要です。

 

体に成分を付着させたまま時間が経過すると、肌荒れしやすくなるので、お風呂あがりの際にはシャワーなどで十分に洗い落としましょう。
成分の強さから、単純温泉などとの合わせ湯で利用されることも多い温泉です。

 

 

 

 

 

硫黄泉

硫黄泉とは、温泉水1kgの中に総硫黄が2mg以上含まれている温泉のことを言います。
硫黄泉は大きく分けて、硫化水素を全く含まない「単純硫黄泉」と硫化水素を含む「硫化水素泉」に分類されます。
硫黄泉の大きな特徴は「卵が腐ったような臭い」と言われる独特の硫黄臭です。

 

特に硫化水素ガスが含まれている場合は刺激が強く、窓のない浴室のような換気の良くないところでは、中毒症状を起こすことがあるので入浴する際には注意が必要です。
お湯の色は、湧出直後は無色透明ですが、空気に触れて酸化すると白濁色や黄色調に変化していきます。

 

硫黄泉は殺菌効果が高いため、慢性皮膚病、切り傷や外傷に効果を発揮すると言われています。
また、毛細血管や冠動脈、脳動脈などの血管を拡張させる働きがあるので、高血圧、動脈硬化や心臓疾患、脳卒中などの予防にもいいとされています。
硫黄には解毒作用もあり、肝臓の解毒機能を助け、金属中毒や薬物中毒を軽減する効果も期待されています。

 

硫黄イオンにはインスリンの生成を促す性質も備わっているので、特に飲用した際には糖尿病に効能があると言われており、痛風、便秘にも飲用の効果があるとされています。
ただ、温泉には飲用できるものとできないものがありますので、十分な注意が必要です。

 

神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、打ち身、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復、疲労回復、健康増進に効能があります。
一方で、硫黄泉は刺激が強い泉質のため、肌の弱い方、乾燥肌の方には肌荒れが起きるリスクが高くなり、あまりおすすめできない温泉です。

 

 

 

 

 

放射能泉

温泉水1kg中にラドン量を3ナノキュリー以上含んでいれば放射能泉と言えます。
ナノキュリーというのは他の泉質では見かけない単位ですが、放射線を計る単位の一つであり、一般的には「極微量の放射能」と理解してください。
放射能泉は、痛風や高血圧症、動脈硬化、肝臓病など様々な疾患に効能があることで知られており、その効能の多さゆえに「万病の湯」と称えられることもあります。
放射能泉は他の泉質の温泉が入っていなければ無色透明で無味無臭、いわゆる普通のお風呂に入っているのと変わらない感覚なのですが、効能はとても高い温泉です。
放射能泉と言えば「痛風の湯」と言われるほど、痛風に対して効能が高いと言われています。

 

ラドンは、すぐに空気中に拡散する性質がありますが、それを吸入することで痛風に対して高い効能を発揮します。
吸入は飲用よりも効果が高いとされているのです。

 

入ってよし、飲んでよし、吸ってよしの放射能泉は痛風と闘っている方々にとってはとてもありがたい温泉だと言えます。

 

慢性胆のう炎、胆石症に対して入浴で効果が見られるとも言われますし、動脈硬化症、慢性皮膚病、慢性婦人病などにもいいことで知られています。

 

もちろん、温泉全般に効能があるとされていて、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、打ち身、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復、疲労回復、健康増進への効能も標榜されており、
非常に多くの病気に対して効果があるため「万病の湯」と言われています。

 

 

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温泉水の泉質別の代表的な効能

温泉水は、病気によっては、特定の泉質の温泉を飲用することが健康につながるどころか、逆に不利益をもたらすこともあり注意が必要です。

 

たとえば、高血圧症や腎臓病、動脈硬化などの病気を患っていたり、むくみがある場合は塩化物泉、炭酸水素塩泉を飲用することは禁忌とされています。

 

塩分が悪影響を及ぼすからです。甲状腺機能昂進症の方は、ヨウ素を含む泉質の飲泉は控えたほうがいいでしょう。

 

また、下痢の時は硫酸塩泉、炭酸泉、硫黄泉、酸性泉などを飲用するのは避けましょう。

 

 

それでは泉質別の温泉水の効能についてご紹介します。
二酸化炭素泉(炭酸泉):慢性消化器病、便秘
炭酸水素塩泉:糖尿病、痛風、肝臓病、慢性消化器病
鉄泉(含鉄泉):貧血
硫酸塩泉:慢性胆のう炎、胆石症、肥満症、糖尿病、痛風、慢性便秘
硫黄泉(硫黄温泉):糖尿病、痛風、慢性便秘
酸性泉(酸性温泉):慢性消化器病
放射能泉:痛風、慢性消化器病、慢性胆のう炎、胆石症、神経痛、筋肉痛、関節痛

 

 

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